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トランスジェンダーGID性同一性障害/GD性別違和領域の外来では多くの性同一性障害・性別違和の方々の診療をしてきましたが、性同一性障害とまではいえない性別違和の方に、アスペルガー症候群・ADHD等の才能型発達障害を基礎疾患に有する方が多くいらしたため、そのような方々に総合的かつ個別的に対応するため、発達障害専門領域の外来を新たに併設しました。ゲーム障害はこちらから
アスペルガー症候群/アスペルガー障害の子供は、毎日多数のストレス源にさらされています。そのストレスに対する反応として、不安や落ち込みが見られることがありますし、やはりエフォートフルコントロールの値が低いせいで日常的な些細な出来事に対して怒ったりいらだったりするような子・うまくいかないことをすぐに他人のせいにして攻撃的になる子供もいます(外在化)。
そのような傾向が一般によく知られているせいで、アスペルガー症候群の子供は、だいたいにおいて学校で「トラブルを起こす」「トラブルメーカー」と言われます。しかし、原因は本当にそのアスペルガー症候群の子供だけにあるのでしょうか?この点について、次のような指摘があります。
「挑発に対する過剰な反応も見られます。挑発には、ほかの子供たちのいじめや、からかいがあります。子どもたちはアスペルガー症候群/アスペルガー障害の子どもを「はめて(罠にかけて)」、自分たちにはトラブルが及ばないように離れて、事件の「生中継」を笑いながら見ています。アスペルガー症候群/アスペルガー障害の子どもは、ほかの子どもたちがするように、捕まらないようにうまく仕返しできる巧妙さを持ち合わせていません。人への思いやりを示したり自己コントロールをしたりする力にも欠けるので、相手に怪我を負わせないように加減することもできません。ただやみくもに怒りを爆発させ、トラブルを起こします。学校の先生はその子どもの乱暴な行動を見るのですが、その怒りを招いた周りの嘲笑には気づかないのです。」
(トニーアトウッド)
このような指摘と実際にこのようなケースが多くある実情の知見に基づいて、アスペルガー症候群/アスペルガー障害の子どもが学校で「トラブルばかり起こす」と評されて受診した場合には、果たしてそのトラブルの原因の実体は本当にそのアスペルガー症候群/アスペルガー障害の子どもにあったのかを、慎重に調査します。アスペルガー症候群/アスペルガー障害の子どもはそのような罠にかけるようなクラスメートとの直接対決や先生の前での口頭での釈明では何の防御もできず、しばしば不本意な発言をさせられ、毎度毎度謝ることになっている例も多くあります。しかしながら、アスペルガー症候群/アスペルガー障害の子どもは描画をきっかけとしたコミュニケーションや文章でならば達者に過去の事実と自分の気持ちを表現できるため、それらを聴取して調査書にまとめ、意見書を作成して学校との話し合いや教育委員会・教育長への申入れをサポートします。
ただし、本当にアスペルガー症候群/アスペルガー障害の子どもがエフォートフルコントロールが悪くてトラブルになっている場合は、どうしようもないこともあります。トラブルが一定レベルを越えると、触法行為・違法行為となるためです。